算用さんよう)” の例文
米の算用さんようは、百姓ばら自分の米ならば、十層倍にして、後に取らすき者也。急げ急げと、御自身、お触れ候。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
良人をつと小松原東二郎こまつばらとうじらう西洋小間物せいやうこまものみせばかりに、ありあまる身代しんだいくらなかかして、さりとは當世たうせい算用さんようらぬひとよしをとこに、戀女房こひにようばうのおりつばしこさおくおもて平手ひらてんで
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし三名だけが讀めるのみで——誰一人、書くことも算用さんようも出來ないのだつた。數人の者は編物あみものができ、極く僅かの者がほんの少し縫物ぬひものが出來る。彼等はその地方のむき出しのなまりを使つてゐる。
算用さんようにうき世を立つる京住居ずまい 芭蕉
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)