わちき)” の例文
美「なにわちきのお父さんと心安い人なんで、四五たび私を呼んでくれた人ですが、うちのお母さんと近付に成りたいって来てえるんですよ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
主の為なら仕方がないから井桁伊勢屋から来る客をお取留めなましと、わちきが花魁に勧めたのざますのサ、前から取ってるの何んのって
もし御新造さん旦那がい方で物を遣って有るから、旦那の愛敬で何うもお気の毒だ、わちきにも出さしてくれと云って呉れます、若い芸者衆やなんども
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆「御存じのとおりわちきのとこは小部屋も何も有りませんが、何の御用でございますか、何うか此処で仰っしゃってねヘヽヽ何うも下さいませんと困りますねえ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
だが彼様あんな人は諦めておくんなましよ、しっかりしなましよ、おまはんも親族みより兄弟もなし、わちきも親族兄弟がないから、お互に素人に成ったらば姉妹きょうだいになろうと
若「おまはんこゝで金が出来て、おさんの首尾さえ附けば、今までの通りぬしが来られるような事になりんすか、そうならわちきがお金を才覚しようじゃア有りまへんか」
一寸ちょっと水司はん、わちきの大事のね、深い中になって居るお客というのは此の中根はんで、中根はんに出ている私がおはんの様な下役に出られますかねえ、く考えて御覧なはいよ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
先方むこうで世話をしようと云う、お前さんも弟様にいさん仕合しやあせで、此の上もねえ結構な事、お前さんの為を思ってわちきは相談に来たんだが、早速お話になるよう善は急げだがうでげしょう
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わちきはおはんのような人は嫌いなの、お前大層な事を云っているね、金ずくで自由になるようなわちきやア身体じゃアないよ、二十両ばかりの端金はしたがねを千両がねでも出したような顔をして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)