磨臼すりうす)” の例文
勘次かんじはおしなきてかまどけるうちには庭葢にはぶたもみむしろしたりそれからひとりで磨臼すりうすいたりして、それから大根だいこしたりつちけたりしてくらいからくらいまではたらいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ああ、貧困は実に天才を護育するの揺籃えうらんなりき。敬虔なる真理の帰依者きえしやスピノザもまたくの如くなりき。彼は眼鏡磨臼すりうすをひいて一生を洗ふが如き赤貧のうちに、静かに自由の思索にふけれり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)