“破納屋”の読み方と例文
読み方割合
やれなや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
清水から一坂上り口に、薪(まき)、漬もの桶(おけ)、石臼(いしうす)なんどを投遣(なげや)りにした物置の破納屋(やれなや)が、炭焼小屋に見えるまで、あたりは静(しずか)に、人の往来(ゆきき)はまるでない。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦(おんな)はちょうど筧(かけひ)の水に、嫁菜の茎を手すさびに浸していた。浅葱(あさぎ)に雫(しずく)する花を楯(たて)に、破納屋(やれなや)の上路(のぼりみち)を指して
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時に青空に霧をかけた釣鐘が、たちまち黒く頭上を蔽うて、破納屋(やれなや)の石臼も眼(まなこ)が窪み口が欠けて髑髏(しゃりこうべ)のように見え、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)も鬼火に燃えて、四辺(あたり)が真暗(まっくら)になったのは、眩(めくるめ)く心地がしたからである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)