“木納屋”の読み方と例文
読み方割合
きなや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親方の家の裏には広い空地あきちがあった。ここを仕事場としているので、空地の隅には材木を積んで置く木納屋きなやがあった。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
脊の伸びたのが枯交かれまじり、まばらになって、蘆が続く……かたわら木納屋きなや苫屋とまやの袖には、しおらしく嫁菜の花が咲残る。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見る間に水を離れて、すれ違って、背後うしろなる木納屋きなやに立てかけた数百本の材木の中に消えた、トタンに認めたのは、緑青ろくしょうで塗ったようなおもて、目の光る、口のとがった、手足は枯木のような異人であった。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)