矢数やかず)” の例文
旧字:矢數
「その白き馬に乗りたる者こそまぎれもなき劉玄徳。これへかからば、白馬を目じるしに狙いをあつめ、矢数やかず石弾いしだまのあるかぎりあびせかけろ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時雨しぐれ村雨むらさめ中空なかぞらを雨の矢数やかずにつんざきぬ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
少年の矢数やかず問ひよる念者ぶり
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
徒士かち矢数やかず、馬上の射懸いかけ、騎兵群の乱取り、一騎駈け勝負など、調武あり試合あり、武者所の豪や、各家選抜の勇が、名を競うものだった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少年の矢数やかず問ひよる念者ぶり
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
矢数やかずはひょうひょうとにじのごとくはなたれたが、時間はほんの瞬間しゅんかん、すでに大鷲おおわしは町の空をななめによぎって、その雄姿ゆうし琵琶湖びわこのほうへかけらせたが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少年の矢数やかず問ひよる念者ぶり
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
敵は、尊良親王たかながしんのうが城中から消えたことも知ったように、日にまし猛攻を加えてきた。しかも、防ぎとする岩石や大木も、また矢数やかずにもかぎりがある。で、正成の指揮は一変していた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして初手しょての防戦につかった矢数やかずにしろ、もちろん、かぎりある物だった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
落馬は矢数やかずまさりたり