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畷道
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なわてみち
ふりがな文庫
“
畷道
(
なわてみち
)” の例文
かくして左右は一団になって、
畷道
(
なわてみち
)
のようになっている広い道を石田というところまで来ると、果して——ここででくわしてしまいました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
またあまりに
儚
(
はかな
)
い。土に映る影もない。が、その影でさえ、触ったら、毒気でたちまち落ちたろう。——
畷道
(
なわてみち
)
の
真中
(
まんなか
)
に、別に、
凄
(
すさま
)
じい虫が居た。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
城下町の外れの
畷道
(
なわてみち
)
に、玄武社の幹部たちが集まって、道の彼方を睨みつけていた。かれらのお揃いの頬髯が、爽やかな早朝の風にいさましくなびき立った。
半之助祝言
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
田と田との間に、堤のように高く築き上げてある、長い長い
畷道
(
なわてみち
)
を、汗を拭きながら
挽
(
ひ
)
いて行く定吉に「暑かろうなあ」と云えば「なあに、寝ていたって、暑いのは同じ事でさあ」
カズイスチカ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
高野街道、奈良街道の要地にして、地勢卑湿、水田沼地多く
畷道
(
なわてみち
)
四通する所だ。
大阪夏之陣
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
畷道
(
なわてみち
)
を人影が通って行く。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その頃追手の一行は、馬を列ねて東へ疾駆し、財田の里を過ぎた
畷道
(
なわてみち
)
で、首尾よく幸之進に追いついた。……先頭に馬を駆っていた青地三之丞、馬足を緩めながら
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
こうして、石田村の
畷道
(
なわてみち
)
の活劇は大嵐のあとのように一通り済みましたが、一つ済まないのは、役人たちの手で水田の中へおっぽり込まれた、問題の長持の後始末です。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
畷道
(
なわてみち
)
少しばかり、菜種の
畦
(
あぜ
)
を入った処に、志す
庵
(
いおり
)
が見えました。
侘
(
わび
)
しい一軒家の平屋ですが、
門
(
かど
)
のかかりに何となく、むかしの
状
(
さま
)
を
偲
(
しの
)
ばせます、
萱葺
(
かやぶき
)
の屋根ではありません。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伝馬町
(
てんまちょう
)
すじの裏に長屋の一軒を借りると、その家ぬしの世話で、さしたる苦労もなく城下はずれの
畷道
(
なわてみち
)
に、小坂井でしていたのとおなじ小あきないの店をもつ事ができた。
日本婦道記:箭竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
米友は思案しながら松並木を歩き出して、天神町の
立場
(
たてば
)
から
畷道
(
なわてみち
)
を、宿になりそうなところもがなと見廻しながら行くと、ほどなくやぐら新田というところあたりへ来てしまいました。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
畷道
(
なわてみち
)
。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところは
松任
(
まっとう
)
、町の手前の
畷道
(
なわてみち
)
にかかったとき、六兵衛は昂軒の姿をみつけた。背丈が高く、肩の張った骨太の、逞しい躯つきは、うしろからひとめ見ただけで、それとわかった。
ひとごろし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お玉に別れたお杉は、スタスタと
畷道
(
なわてみち
)
を谷村の方へ急いで参ります。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
八丁堤といわれる
畷道
(
なわてみち
)
を通ったのも、なかば夢中であった、……そうしてやがて、浅井川の岸に立って、早瀬の暗い水を眺めている自分に気づき、とつぜん眼のさめたような気持で
契りきぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
知人に見られないように、橋を渡って
畷道
(
なわてみち
)
の途中から裏道へまわり、武家屋敷のほうから町へ入ると、桶屋町の「藤十」という料理屋へ馬を預け、そこから歩いて花崗道円の家へゆくのである。
月の松山
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
半刻のち、十太夫と土田は芝野川に沿った
畷道
(
なわてみち
)
をあるいていた。
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
畷
漢検準1級
部首:⽥
13画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“畷”で始まる語句
畷
畷筋
畷行
畷路
畷手道