“なわてみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
畷道84.2%
畷手道5.3%
畷路5.3%
縄手道5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
またあまりにはかない。土に映る影もない。が、その影でさえ、触ったら、毒気でたちまち落ちたろう。——畷道なわてみち真中まんなかに、別に、すさまじい虫が居た。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
日が暮れかかっていた、釜梨川の方から夕靄ゆうもやが立ち始めて、駒ヶ岳の峰だけがくっきりと斜陽を受けている——半太郎は額の汗を拭きながら黙って畷手道なわてみちにかかった。
無頼は討たず (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
幾台かの自動車はそのためにむなしく幾日かを立番をして暮したほどである。さあ! という時には、街道かいどうあたりの畷路なわてみちは、自動車の爆音が相続き入乱れてヘビーの出しくらをした。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
祖父じじに就ても、こんな話がある。祖父が若い時分、撃剣の同門の何とかいう男が、あまり技芸に達していた所から、ひと嫉妬ねたみを受けて、ある夜縄手道なわてみちを城下へ帰る途中で、誰かに斬り殺された。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)