甘皮あまかわ)” の例文
少くとも彼の鼻の頭には、線香花火でやけどした程の火ぶくれが出来て、甘皮あまかわの破れた皮膚の下からほんのわずかばかり血がにじんだ。
その黄味は天然の色で、楮の甘皮あまかわから出てくるものであります。本当に文字通り「生紙きがみ」という感じで、和紙の持味がにじみ出ているものであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
人参にんじん甘草かんぞう薏苡仁よくいにん、それに胡麻ごまと松の甘皮あまかわ、——そこまでは誰でも解るが、残りの二味がむつかしい
梅子は枝豆の甘皮あまかわ酸漿ほおずきのやうにこしらへ、口の所を指尖ゆびさきつまみ、ぬかに当ててぱちぱちと鳴らしてゐる、そこへ下より清さんがおいでですとの知らせと共に、はしごを上り来る清二郎が拵は細上布ほそじょうふ帷子かたびら
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼はしばしばこの女の全身の甘皮あまかわが、自分の肌へ肉襦袢じゅばんのようにすっぽり被さってしまった気がして、それを残らず洗い落すのに多少の未練を感じながら
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
甘皮あまかわを一枚張ったようにぱさぱさ乾いている顔の上を、夜風が冷やかにでて行く。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)