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かわらまち
ふりがな文庫
“
瓦町
(
かわらまち
)” の例文
水戸家のお下屋敷かどから堀川を左に曲がって、
瓦町
(
かわらまち
)
から
陸
(
おか
)
へ上がると小梅横町、お賄い方組屋敷までへは二町足らずの近さでした。
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「ほんとに不思議でございますの。……昨夜あれから参りました、
瓦町
(
かわらまち
)
の古家で、気味の悪い老人から、戴いたものでございます」
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夜ももう五ツ(午後八時)に近いと思うころに、本所
中
(
なか
)
の
郷
(
ごう
)
瓦町
(
かわらまち
)
の荒物屋の店障子をあわただしく明けて、ころげ込むようにはいって来た男があった。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
家じゅうがらんとして……というと相応に広そうだが、あさくさ御門に近い
瓦町
(
かわらまち
)
の露地の奥、そのまた奥の奥というややこしい九尺二間の
棟割
(
むねわり
)
である。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかし以前
瓦町
(
かわらまち
)
に店があった時分から子供の事は
一切
(
いっさい
)
母親のお静にまかしたなり、ろくろく顔を見た事もなかった位。朝起きる時分には娘はもう学校に行っている。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
その頃のことかと思うが、松吉はそういう仲間たちと一しょに
瓦町
(
かわらまち
)
の若い小唄の師匠のところにひやかし半分
稽古
(
けいこ
)
にかよっていたが、そのうちに松吉はその若い小唄の師匠といい仲になった。
花を持てる女
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
あとの三人はお
店
(
たな
)
の人達と一緒に、バラバラに出掛けるうち、——私は家から使いの者が来て、途中から
瓦町
(
かわらまち
)
まで引返し、
四半刻
(
しはんとき
)
(三十分)ばかり手間取って来ると、この始末でございました
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
蔵前を左へ天王町から
瓦町
(
かわらまち
)
へ出て、そこの町かどのお料理仕出し
魚辰
(
うおたつ
)
、とあかり看板の出ていた一軒へずかずかはいっていくと、やにわにいったものです。
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
中
(
なか
)
の
郷
(
ごう
)
瓦町
(
かわらまち
)
、その前が
細川能登守
(
ほそかわのとのかみ
)
、
松平越前様
(
まつだいらえちぜんさま
)
の門、どっちもこれがお下屋敷でございまして、右手、
源兵衛橋
(
げんべえばし
)
を渡った向うに、黒々と押し黙る木々は、
水戸様
(
みとさま
)
の同じくお下屋敷。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「またさっきの悪者どもが盛り返して来ないものでもない、
瓦町
(
かわらまち
)
まで送りましょう」
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
以前は
浅草
(
あさくさ
)
瓦町
(
かわらまち
)
の電車
通
(
どおり
)
に商店を構えた
玩具
(
がんぐ
)
雑貨輸出問屋の主人であった身が、現在は事もあろうに電話と家屋の売買を周旋するいわゆる
千三屋
(
せんみつや
)
の手先とまでなりさがってしまったのだ。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
正直な小女は日傘もささずに、金龍山下
瓦町
(
かわらまち
)
の家をかけ出して、浅草観音堂の方角へ花川戸の通りを急いで来ると、日よけの扇を
額
(
ひたい
)
にかざした若い男に出逢った。男は笑いながらお熊に声をかけた。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今は跡形もありませんが、その頃
流行
(
はや
)
った
瓦町
(
かわらまち
)
の
焙烙地蔵
(
ほうろくじぞう
)
様の門前、お百度石の側で、同じ町内の糸屋の娘お駒が、
銀簪
(
ぎんかんざし
)
に右の眼玉を突かれて、芸妓奴と同じように、
無慙
(
むざん
)
な死に様をしていたのです。
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あたり一面の光景は疲れた母親の眼には余りに色彩が強烈すぎるほどであった。お豊は
渡場
(
わたしば
)
の方へ
下
(
お
)
りかけたけれど、急に恐るる如く
踵
(
くびす
)
を返して、
金竜山下
(
きんりゅうざんした
)
の
日蔭
(
ひかげ
)
になった
瓦町
(
かわらまち
)
を急いだ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ある日わたしはいつものように、縄張りの
諸家様
(
しょけさま
)
を廻り、
合力
(
ごうりき
)
を受け、夕方帰路につきました。鳥にだって寝倉がありますように、乞食にだって巣はございますので。
瓦町
(
かわらまち
)
の方へ歩いて行きました。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
瓦
常用漢字
中学
部首:⽡
5画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“瓦町”で始まる語句
瓦町通