猿橋さるはし)” の例文
酒折さかをりみや山梨やまなしをか鹽山ゑんざん裂石さけいし、さし都人こゝびとみゝきなれぬは、小佛こぼとけさゝ難處なんじよして猿橋さるはしのながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひるほどのさともなきに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「勝沼までと言わず、いっそ笹子ささごを越えて猿橋さるはしあたりまで行ってみてはいかがでござるな」
甲府の近くにある国玉くにたまの大橋などは、橋の長さが、もとは百八十間もあって、甲斐国かいのくにでは、一番大きな、また古い橋でありましたが、この橋を渡る間に猿橋さるはしのうわさをすることと
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
酒折さかをりの宮、山梨の岡、塩山ゑんざん裂石さけいし、さしの名も都人ここびとの耳に聞きなれぬは、小仏こぼとけささ難処なんじよを越して猿橋さるはしのながれにめくるめき、鶴瀬つるせ駒飼こまかひ見るほどの里もなきに
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「なんしてもこの通りの山の中でございますから、景色と申しても名物と申しても知れたものでございますが、そのうちでも甲斐絹かいき猿橋さるはし、これがまあ、かなり日本中へ知れ渡ったものでござりまする」