献策けんさく)” の例文
そちの献策けんさくで小松原家から京姫を取り寄せはしたものの、どうやらこいつは失敗らしいぞ! 銅兵衛を訪ねて君尾と逢い、親子姉妹のなのりを
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何か仕事の上で自分に名案がうかんでも、それはその方の係なり上役なりに、そっと陰で献策けんさくして、自分は何も知らないような顔をしているのです。
青年の思索のために (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と正三君は照彦様から頼まれていたところを献策けんさくした。もっともこれは自分も同感ですでに先頃持ち出したのだった。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
勝入は、膝をすすめ、先頃から彼が胸にえがいていた奇略を——例の、山道地図をもひろげて——熱心に、献策けんさくした。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と光秀や光春へ向っても、確信にみちた口吻くちぶりで話していた。もとよりこれはここに始まった献策けんさくでも評議でもない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地図は、池田勝入が、秘計を説いて献策けんさくした——例の、岡崎表を奇襲せんとする“中入なかいり”の山道図さんどうずなのである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何者の献策けんさくか、暗愚な龍興は、この日よりく前から、城外へ出て戦っている将兵の妻子だの、富豪な町人の家族だの、城下の老幼男女を、城に満ちるほど
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「州へ戻って、慕蓉閣下のまえに罪を詫び、また、文官劉高の日ごろの悪と、偽訴の次第を、事つまびらかに申し上げて、治下の秕政ひせいを正す献策けんさくといたしたい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その秘策ひさくとは、すなわち、これから馬をすすめて五湖の底にあるという武田家たけだけ宝物ほうもつ御旗みはた楯無たてなしをさぐりだし、同時に、伊那丸いなまるをもそこで首にしてしまおうというおそろしい献策けんさく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
梅雪はとっさにそう思ったらしい、あくまで信じきっている民部みんぶ献策けんさくにまかせて、ふたたび郎党ろうどうを一列に立てなおし、民部と咲耶子さくやこさきにして、裾野すそのを西へ西へとうねっていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば、彼のように、短い年月の間に、小者小屋から畳の上へ昇った例すら少ないのに、君前へ出て、献策けんさくめいたことを、直接にいうなど、もっての外な——と等しく眉をひそめるのだった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、甲府こうふへはいるにさきだって、民部みんぶ献策けんさくによって六人は三くみに分れることにした。なぜかといえば、小太郎山奪取こたろうざんだっしゅののち、徳川家とくがわけ大久保石見おおくぼいわみめいじて、いっそう伊那丸の追捕ついぶ厳命げんめいした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうだ。しゅうとどのは、あのことを、羽柴どのへ、献策けんさくしたか」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、病関索びょうかんさく楊雄ようゆうがすすみ出てこう献策けんさくした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取り入れられるようにと、献策けんさくしておられたので
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こう審配しんぱい献策けんさくしたので
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、献策けんさくした。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)