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燗瓶
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かんびん
ふりがな文庫
“
燗瓶
(
かんびん
)” の例文
女中の
房
(
ふさ
)
は手早く
燗瓶
(
かんびん
)
を
銅壺
(
どうこ
)
に入れ、食卓の布を
除
(
と
)
つた。そして
更
(
さら
)
に卓上の
食品
(
くひもの
)
を
彼所
(
かしこ
)
此処
(
こゝ
)
と置き直して心配さうに主人の様子をうかがつた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と云ううちに小娘は
燗瓶
(
かんびん
)
を置いて立上った。ビックリしたらしくバタバタと出て行った。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ああやッと出来ましたよ」と、小万は
燗瓶
(
かんびん
)
を鉄瓶から出しながら、「そんなわけなんだからね。いいかね、お熊どん。私がまた後でよく言うからね、今晩はわがままを言わせておいておくれ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
佐太郎は気を取り
外
(
はず
)
せり、彼は満面に笑みの波立て直ちに出で行き、近処に法事の案内をし、帰るさには
膳椀
(
ぜんわん
)
を借り
燗瓶
(
かんびん
)
杯洗を
調
(
ととの
)
え、
蓮根
(
れんこん
)
を掘り、
薯蕷
(
やまのいも
)
を掘り、帰り来たって阿園の飯を炊く間に
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
爺さんは、
頷
(
うなず
)
いて、
銅壺
(
どうこ
)
に、
燗瓶
(
かんびん
)
を放り込む。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
房
(
ふさ
)
は
燗瓶
(
かんびん
)
を
揚
(
あげ
)
て
直
(
す
)
ぐ
酌
(
しやく
)
をした。銀之助は会社から帰りに
何処
(
どこ
)
かで飲んで来たと見え、
此時
(
このとき
)
既
(
すで
)
にやゝ
酔
(
よつ
)
て居たのである。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
竹の皮の庭
草履
(
ぞうり
)
を穿きまして、裏の松原に出て用を足しますと、夕方の飲残りの酒を持って松原を抜けまして、外海岸の岩山に登って、そこの草原で
燗瓶
(
かんびん
)
の口から
喇叭
(
ラッパ
)
を吹きながら
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
燗
漢検1級
部首:⽕
16画
瓶
常用漢字
中学
部首:⽡
11画
“燗”で始まる語句
燗
燗徳利
燗番
燗鍋
燗酒
燗銅壺
燗冷
燗場
燗部屋