燒餅やきもち)” の例文
新字:焼餅
蕎麥そば里芋さといもをまぜてつくつたその燒餅やきもちげたところへ大根だいこんおろしをつけて焚火たきびにあたりながらホク/\べるのは、どんなにおいしいでせう。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「そして、斯う言ふんです。錢形の親分を此處へつれて來たかつたけれど、大燒餅やきもちの赤井主水は何を言ふかわからないから、暫らく泳がして置く——つてね」
燒餅やきもちくとていてえ、でお釋迦しやか團子だんごねたあ」とてつけにうたうてずん/\つてしまふ。うしろ群集ぐんしふはそれにおうじてゆびくはへてぴう/\とらしながら勘次かんじこゝろ苛立いらだたせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
茶汲み女を片つぱしから口説き落して、際限も無い放埒はうらつだから、女房のお留は燒餅やきもちで氣が變になつたのだよ。最初、お北の髮を切つたのは、間違ひもなく主人の岩吉だ。
今度は燒餅やきもちでもなんでもなく、血にかわいた獸物けだもののやうな心持で、闇の夜を狙つて外へ出ては
世にも珍らしい氣象者きしやうもので、燒餅やきもちも一段とすさまじかつた、私に隱し子があるなどとわかつたら、どんな騷ぎになるかわからない、金之助のおきんは、男姿のまゝ、我慢がまんに我慢をして
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
一度お小夜にやつた金を、お小夜を殺した上で、猪之松と爲五郎にわけてやる根性は憎いぢやないか、——それにあの芝居氣と嫉妬やきもちはひど過ぎるよ。尤も、男の嫉妬やきもちは女の燒餅やきもちよりもひどいといふよ。