熟々よく/\)” の例文
と手に取上げて熟々よく/\見ると、唐真鍮とうしんちゅう金色かねいろびて見えまする。が、深彫ふかぼりで、小日向服部坂深見新左衞門二男新吉、と彫付けてある故
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
承まはりしに馬喰町人殺は別人べつじんなる由全く彦兵衞の所業しよげふに非ず然るを家主八右衞門熟々よく/\たゞしも仕つらず御所刑と致候段殘念ざんねんぞんじ小腕こうでながらも敵討を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少し前へ膝を進めて熟々よく/\見ますと若い方は先年おいとまが出て、お屋敷を追放になりました渡邊織江のせがれの祖五郎、今一人は春部梅三郎、両人共にお屋敷を出てって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
切害せつがい仕つり其うち月も出候に付熟々よく/\見候へば男女兩人とも存ぜぬ者ゆゑ一時當惑は致せしが今更致し方も無之ゆゑ茲に惡計あくけいを考へ出しかねねたましき九助に此人殺しのとがおはかれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すまぬ事熟々よく/\御改おあらためなされよと申にいくらさがしても一向御座らぬと云時いふとき宿やどの亭主は若々もし/\貴公あなたすその下から何かひもが見えます夫ではなきやといはれて夫はと云ながら客人は内懷中うちぶところへ手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)