わづらはし)” の例文
今やその願足りて、しかもつひに饜きたる彼はいよいまつはらるる愛情のわづらはしきにへずして、むしろ影を追ふよりもはかなき昔の恋を思ひて、ひそかに楽むのあぢはひあるを覚ゆるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夫の留守にはこの家のあるじとして、彼はつかふべき舅姑きゆうこいただかず、気兼すべき小姑こじうとかかへず、足手絡あしてまとひの幼きもだ有らずして、一箇ひとり仲働なかばたらき両箇ふたり下婢かひとに万般よろづわづらはしきをまか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
又言ふもわづらはしくて宮は口を閉ぢぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)