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焼点
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しょうてん
ふりがな文庫
“
焼点
(
しょうてん
)” の例文
旧字:
燒點
ただ前を忘れ後を
失
(
しっ
)
したる中間が
会釈
(
えしゃく
)
もなく明るい。あたかも闇を
裂
(
さ
)
く稲妻の眉に落つると見えて消えたる
心地
(
ここち
)
がする。
倫敦塔
(
ロンドンとう
)
は
宿世
(
すくせ
)
の夢の
焼点
(
しょうてん
)
のようだ。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
忽
(
たちま
)
ち
近郷
(
きんごう
)
にまで伝えられ、入学の者日に増して、間もなく一家は尊敬の
焼点
(
しょうてん
)
となりぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
大原満は今こそ愉快の
焼点
(
しょうてん
)
に立てり。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
彼は約十分ばかり待った後で、注意の
焼点
(
しょうてん
)
になる光の
中
(
うち
)
に、いっこう人影が射さないのを不審に思い始めた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おれと山嵐がこんなに注意の
焼点
(
しょうてん
)
となってるなかに、赤シャツばかりは平常の通り
傍
(
そば
)
へ来て、どうも飛んだ災難でした。僕は君等に対してお気の毒でなりません。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
中にも
駿河町
(
するがちょう
)
という所に
描
(
か
)
いてある
越後屋
(
えちごや
)
の
暖簾
(
のれん
)
と富士山とが、彼の記憶を今代表する
焼点
(
しょうてん
)
となった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが uneasy lies the head that wears a crown と云われたので
焼点
(
しょうてん
)
が急にきまったような心持がするのであります。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
危うい命を取り留めたというのがあったが、その話が今明らかに記憶の
焼点
(
しょうてん
)
に浮んで出た。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人に
指点
(
さ
)
す指の、
細
(
ほっ
)
そりと
爪先
(
つまさき
)
に肉を落すとき、明かなる感じは次第に爪先に集まって
焼点
(
しょうてん
)
を
構成
(
かたちづく
)
る。
藤尾
(
ふじお
)
の指は爪先の
紅
(
べに
)
を抜け出でて縫針の
尖
(
と
)
がれるに終る。見るものの眼は一度に痛い。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
焼
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
点
常用漢字
小2
部首:⽕
9画
“焼”で始まる語句
焼
焼酎
焼夷弾
焼餅
焼鏝
焼火箸
焼跡
焼刃
焼麺麭
焼芋