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烈々
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れつ/\
烈々と
燃える
暖炉のほてりで、
赤い
顔の、
小刀を
持つたまゝ
頤杖をついて、
仰向いて、ひよいと
此方を
向いた
父の
顔が
真蒼に
成つた。
手負乍ら、お嘉代の
烈々たる
氣魄が、その打ち
濕つた言葉のうちにも、聽く者の
肺腑を
抉ります。
上段づきの
大廣間、
正面一段高い
處に、
疊二疊もあらうと
思ふ、
恰も
炎の
池の
如き
眞鍮の
大火鉢、
炭火の
烈々としたのを
前に
控へて、
唯見る
一個の
大丈夫。