濃淡のうたん)” の例文
さながら、あかいインキをながらすごとく、またしげなくげられた金貨きんか燦然さんぜんとしてぶごとく、火焔かえん濃淡のうたんよるあおざめたはだうつくしくいろどっていました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『だまれ!』と、画家はどなって、すべての色と濃淡のうたんとを非常にくわしくかきとめました。
色と色とがけ合つた斑の雲などの濃淡のうたんのある遠景を消してしまつたやうなものだつた。
ずうっと遠くで少しの音が思い出したようにっているだけ、雨もやみ電光ばかりが空をわたって、雲の濃淡のうたん、空の地形図をはっきりと示し、またただ一本をのぞいて、嵐にちほこった百合のむれ
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)