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滿洲
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まんしう
小六から
坂井の
弟、それから
滿洲、
蒙古、
出京、
安井、——
斯う
談話の
迹を
辿れば
辿る
程、
偶然の
度はあまりに
甚だしかつた。
それと
利害を
共にすべく
滿洲から
一所に
出て
來た
安井が、
如何なる
程度の
人物になつたかを、
頭の
中で
描いて
見た。
「
兎に
角滿洲だの、
哈爾賓だのつて
物騷な
所ですね。
僕は
何だか
危險な
樣な
心持がしてならない」と
云つた。