洗足すゝぎ)” の例文
あらはせて此室こゝびたしとおほせられたに相違さうゐはなしかくあがりなされよと洗足すゝぎまでんでくるゝはよも串戯じやうだんにはあらざるべしいつはりならずとせばしんもつ奇怪きくわい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
庄馬鹿は洗足すゝぎの湯を汲んで持つて来る。疲れて、がつかりして、蔵裏くりあががまちに腰掛け乍ら、雪の草鞋わらぢほどいた後、温暖あたゝかすゝの中へ足を浸した時の其丑松の心地は奈何どんなであつたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
洗足すゝぎの水を持つて来た知合の下女が言つた。彼女は平三の村の者であつた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
ちゃんの脛ばかりは咬っていねえ、是でもお客がえら有れば種々いろんな手伝をして、洗足すゝぎ持ってこ、草鞋わらじを脱がして、きたねえ物を手に受けて、湯うわかして脊中を流してやったり、みんなうちの為と思ってしているだ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)