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とこしえ
ふりがな文庫
“
永久
(
とこしえ
)” の例文
宮本二郎は言うまでもなく、
貴嬢
(
きみ
)
もわれもこの悲しき、あさましき春の
永久
(
とこしえ
)
にゆきてまたかえり来たらぬを願うぞうたてき。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
天は
永久
(
とこしえ
)
に高く、地は永久に低し、しかも天の誇りを聞かず、地の
小言
(
つぶやき
)
をしも聞かざるに。人ばかりは、束の間の、いふにも足らぬ差別を争ひ、何とて
喧々囂々
(
けんけんがうがう
)
たる。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
南のは
東覚院
(
とうがくいん
)
、
宝性寺
(
ほうしょうじ
)
、
安穏寺
(
あんのんじ
)
、北のは——寺、——寺、東にも、西にも、おのがじし然も申合わせた様に、我君
眠
(
ねむ
)
りませ、
永久
(
とこしえ
)
に眠りませ、と哀音長く鳴り連れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
折柄、墓石の下に
永久
(
とこしえ
)
の安い眠りについている霊を驚かすように一台の大型自動車がけたゝましい爆音を上げて、この大崎町の共同墓地を目がけて、
驀地
(
まっしぐら
)
に駆けつけて来た。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「神の
御名
(
みな
)
によりて命ずる。
永久
(
とこしえ
)
に神の清き
愛児
(
まなご
)
たるべき
処女
(
おとめ
)
よ。腰に帯して立て」
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
臨終の
喘咽
(
あえぎ
)
聞ゆる
永久
(
とこしえ
)
の喪の
室
(
へや
)
に
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
運命の力は強し、君とこの世にまた相見ることなかるべきやを思うだに、この心破れんとす、いわんや
永久
(
とこしえ
)
の別れをや。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
一年
(
ひととせ
)
と二月は
仇
(
あだ
)
に過ぎざりき、ただ
貴嬢
(
きみ
)
にはあまり早く来たり、われには
遅
(
おそ
)
く来たれり、
貴嬢
(
きみ
)
は
永久
(
とこしえ
)
に来たらざるを
希
(
こいねが
)
い、われは一日も早かれとまちぬ
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
翁のゆきし後、火は
紅
(
くれない
)
の光を放ちて、
寂寞
(
じゃくばく
)
たる夜の闇のうちにおぼつかなく燃えたり。夜更け、潮みち、童らが
焼
(
たき
)
し火も旅の翁が足跡も
永久
(
とこしえ
)
の波に消されぬ。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
否、われは
永久
(
とこしえ
)
の別れを信ぜざるなり。愛の命はこの信仰のみ、われらが恋の望みは実にここにあり。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ややありて『わが夜もふけぬ。君今は静かに休みておわさん。わが心
哀
(
かな
)
し。人々みな
懐
(
なつ
)
かし。わけても君恋し。ああたれか
永久
(
とこしえ
)
の別れというや。否、否、否……。』
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
今日は終日霧たちこめて野や林や
永久
(
とこしえ
)
の夢に入りたらんごとく。午後犬を伴うて散歩す。林に入り黙坐す。犬眠る。水流林より出でて林に入る、落葉を浮かべて流る。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
宮本二郎は永久を契りし
貴嬢
(
きみ
)
千葉富子
(
ちばとみこ
)
に
負
(
そむ
)
かれ、われは十年の友宮本二郎と海陸、幾久しく別れてまたいつあうべきやを知らず、かくてこの
二人
(
ふたり
)
が楽しき春は
永久
(
とこしえ
)
にゆきたり。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
恋の曲、懐旧の情、流転の哀しみ、うたてやその底に
永久
(
とこしえ
)
の恨みをこめているではないか。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
永
常用漢字
小5
部首:⽔
5画
久
常用漢字
小5
部首:⼃
3画
“永久”で始まる語句
永久橋
永久永遠
永久夏
永久寺
永久春
永久機関
永久無尽蔵
永久紀念塔