水野みずの)” の例文
それは、正月しょうがつのことでありました。学校がっこう十日とおかあまりやすみがあった、そのあとのことです。学校がっこうへゆくと、水野みずの姿すがたえませんでした。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれの予想ははずれなかった。秀次隊を一挙にみじんとした徳川勢の水野みずの大須賀おおすが丹羽にわ榊原さかきばらの諸隊は、騎虎きこの勢いをもって殺到した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八月の一日には、この街道では栗色くりいろなめしのやりを立てて江戸方面から進んで来る新任の長崎奉行、幕府内でも有数の人材に数えらるる水野みずの筑後ちくごの一行を迎えた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
水野みずのという少年が、岩のわれめをゆびさして、いうのです。そこで、小林団長が、さきにたって、みんな、よつんばいになって、その小さな穴にはいっていきました。
探偵少年 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「無礼ものッ、なんということをいたすのだ。近藤こんどう水野みずの加賀爪かがづめ、ひかえおらぬかッ」
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そのおんなせいは、水野みずのといいましたが、かおつきが、どこかきつねにていましたところから、だれいうとなく「きつね」というあだにしてしまいました。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、秀次の援護にいそいだが、徳川の水野みずの隊、丹羽にわ隊が、猛然、これにぶつかって来て
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それは、おどくのことでございます。うちの正雄まさおに、あとからよくいいきかせますから……。」と正雄まさおのおかあさんは、水野みずののおばさんにこたえられました。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)