“水野越前守”の読み方と例文
読み方割合
みずのえちぜんのかみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天保八年というと、まだ水野越前守みずのえちぜんのかみの粛清嵐も吹きすさばず、江戸の文化は甘酸っぱく熟れて、淫靡と頽廃と猥雑の限りを尽した異様な瓦斯がすを発散している時分のことです。
老中水野越前守みずのえちぜんのかみの改革に火の消えたような有様ですが、さすがは物見高い江戸っ子、茶気と弥次やじ気分は、此期このごに及んで衰えた風もなく、落首を貼った高札の前は、押すな押すなの騒ぎ
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
勘定奉行矢部駿河守は、後に鳥居甲斐守とりいかいのかみに陥れられて、水野越前守みずのえちぜんのかみの末路も見ずに憤死してしまいましたが、天保年間ばかりでなく、徳川三百年の治世中にも、幾人と数える位の良吏でした。
黄金を浴びる女 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)