氣位きぐらゐ)” の例文
新字:気位
「御冗談で親分、あつしの方で夢中だつたところで、お琴さんは氣位きぐらゐが高いから相手にもしてくれませんよ」
對手あひてもなければ小遣こづかひもなく、まさか小盜賊こどろばうをするほどに、當人たうにん氣位きぐらゐたかいからてられず。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
了簡りようけん一つではいまのお内儀かみさんに三くだはんをもられるのだけれど、おまへ氣位きぐらゐたかいからげんさんと一處ひとつにならうとはおもふまい、それだものなほことぶん子細しさいがあるものか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一體私は、例へば彼女のやうに一種の氣位きぐらゐを持つ人に服從することに快さを感じ、自分の良心と自尊心が受けれる範圍でならば、積極的な意志の前に跪くのが私の性質であつた。