“殖(ふゑ)” の例文
桃割(われ)の女は青磁色の薄い絹の襟巻の端に出た糸を指でむしりながら云ふ。先刻(さつき)から心持(こヽろもち)程頬の赤味が殖(ふゑ)たやうである。
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
暖(あたゝか)に寢(ね)かす事ならず豫(かね)て金二分に質入(しちいれ)せし抱卷(かいまき)蒲團(ふとん)有(あれ)ども其日を送る事さへ心に任(まか)せねば質(しち)を出す金は猶更(なほさら)なく其上吉之助一人口が殖(ふゑ)難儀(なんぎ)の事故夫婦は膝(ひざ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
文藏の代になりては別(べつ)して毎年(いつ)も都合(つがふ)能(よく)年々實入(みいり)も殖(ふゑ)るに往々(ゆく/\)は舅(しうと)甚太夫も此方(こなた)へ引取べしと姑(しうとめ)も申により喜び居たりけり扨(さて)又(また)雲切仁左衞門は彼三十七兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)