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此岸
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しがん
ふりがな文庫
“
此岸
(
しがん
)” の例文
いったい、仏教では、この現実の世界、すなわち迷える私たちの不自由な世界をば、この岸、すなわち「
此岸
(
しがん
)
」といいます。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
獅狂人のごとく彼岸へ飛んだり
此岸
(
しがん
)
へ飛んだり何度飛んでも亀が先にいるのでついに飛び
死
(
じに
)
に死んでしまいました。
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
発展というものを認めないショオペンハウエルの彼岸哲学が超人を説くニイチェの
此岸
(
しがん
)
哲学をも生んだのである。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
式部が此の教義に直接に照らされ現実と理想に距離を感ずれば感ずる程人生の複雑矛盾を発見したことであったろう。嘆きの深さは
此岸
(
しがん
)
と
彼岸
(
ひがん
)
との距離の幅より来る。
紫式部の美的情緒と浄土教
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一隊は広瀬川の
此岸
(
しがん
)
におり、敵らしい一隊は広瀬川の対岸の山かげあたりにいる。戦闘が近づくと当方隊の一部は馬から下りて広瀬川の岸に散開して鉄砲を打ちかけた。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
此岸
(
しがん
)
にいる限りはどんなものといえども
生滅
(
しょうめつ
)
の二から
脱
(
のが
)
れ得ないのである。かくして矛盾や反目や闘争が果しなく続いてくる。何ものも永遠ではない。一切が限界のうちに沈んでしまう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それによって
此岸
(
しがん
)
の生活が再び肯定せられる。絶えざる「精進」が人生の意義になる。精進を斥け文化の展開を無意義とした弥陀崇拝に対して、これは明らかに人類の文化への信頼の回復である。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
西洋で言って見ると
希臘
(
ギリシア
)
の倫理が
Platon
(
プラトン
)
あたりから超越的になって、
基督
(
クリスト
)
教がその方面を極力開拓した。彼岸に立脚して、馬鹿に
神々
(
こうごう
)
しくなってしまって、
此岸
(
しがん
)
がお留守になった。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
無上の国といえば何か遥かな
彼岸
(
ひがん
)
に在るとも思われるが、実は彼岸が
此岸
(
しがん
)
に在るのである。此岸を離れて彼岸はないのである。彼岸こそは此岸の本体なのである。此岸はわずか仮現に過ぎない。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
件
(
くだん
)
の男色蛇に似た事日本にもありて、『善庵随筆』に、水中で人を捕り殺すもの一は河童、一は
鼈
(
すっぽん
)
、一は水蛇、江戸近処では中川に多くおり、水面下一尺ばかりを
此岸
(
しがん
)
より
彼岸
(
ひがん
)
へ往く
疾
(
はや
)
さ
箭
(
や
)
のごとし。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
生前と死後とを問わず、迷執に囚われた生活は
此岸
(
しがん
)
の生活である。従って理想の生を
此
(
こ
)
の世から
彼
(
あ
)
の世に移すことは無意義である。理想の生はここに直ちに実現さるべきものとして存在するのである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
“此岸”の意味
《名詞》
此岸(しがん)
(仏教)迷いのあるこの世の世界。俗世。現世。
(出典:Wiktionary)
“此岸”の解説
此岸(しがん)とは、仏教において彼岸に対比される世界をいい、私たちが住んでいる現世のこと。此の世(このよ)。
(出典:Wikipedia)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
岸
常用漢字
小3
部首:⼭
8画
“此”で始まる語句
此方
此
此処
此家
此奴
此處
此間
此所
此頃
此様