橘南谿たちばななんけい)” の例文
双六谷に就き、如何にも幽怪な魔所の聯想れんそうを喚び起させるのは、橘南谿たちばななんけいの『東遊記』の中にある「四五六谷」の一文である。
渓三題 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
東西遊記を上梓じょうしして著名な医師、橘南谿たちばななんけいの松島紀行にれば、「松島にあそぶ人は是非ともに舟行すべき事なり、また富山に登るべき事なり」
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
一ばんよく知られているのは肥後ひごの鼠島、是は橘南谿たちばななんけいの『西遊記』続篇という、百五十年ばかり前の旅行記に出ている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
猟人等は驚いて、これおそらく山の神であろうと、のちたたりを恐れて捨てて置いたら、自然に腐って骨にってしまったと、橘南谿たちばななんけい西遊記せいゆうきに書いてある。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
橘南谿たちばななんけい東遊記とういうきに、陸前国りくぜんのくに苅田郡かつたごほり高福寺かうふくじなる甲胄堂かつちうだう婦人像ふじんざうせるあり。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
橘南谿たちばななんけいの『西遊記さいゆうき』五に広島の町に家猪多し、形牛の小さきがごとく、肥え膨れて色黒く、毛禿げて不束ふつつかなるものなり、京などに犬のあるごとく、家々町々の軒下に多し、他国にては珍しき物なり
稀には鈴木牧之ぼくしや高橋白山、又は橘南谿たちばななんけいや沢元愷の如き人もあって、山に於ける雲の美、岩の奇、眺望の大等に就て嘆美しているが、登った山は多きも二、三を超えず
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
橘南谿たちばななんけいが東遊記に、陸前国苅田郡かったごおり高福寺なる甲冑堂の婦人像を記せるあり。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
斯様かように雪が多いのと同時に火山である此山は、橘南谿たちばななんけい
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)