橋本はしもと)” の例文
霊岸島川口町れいがんじまかわぐちちょう橋本はしもとこうろうと申して、おやしきへお出入を致して、昔からお大名の旗下はたもとの御用をしたもので、只今でも御用を達す処もござりますが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
本所小梅ほんじよこうめから押上辺おしあげへんに至るあたりも同じ事、新しい工場町こうぢやうまちとして此れを眺めやうとする時、今となつてはかへつ柳島やなぎしま妙見堂めうけんだうと料理屋の橋本はしもととが目ざはりである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ゆき子は十日程前に当市の市参事会員橋本はしもと氏の紹介で、現在勅選議員で羽振の利く森本庄右衛門もりもとしょうえもんの次男から結婚の申込を受けた、善兵衛からゆき子の意嚮いこうを聞くと
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
そうしたらその人はやがて橋本はしもとさんという家の高い石段をのぼり始めた。見るとその石段の上には、橋本さんの人たちが大ぜい立って、ぼくの家の方を向いて火事をながめていた。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「やあ、橋本はしもとさん、ごくろうさま。これがこのあいだお話しの時計ですね。」
超人ニコラ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
僕等は「橋本はしもと」の前で円タクをおり、水のどす黒い掘割り伝ひに亀井戸かめゐど天神様てんじんさまへ行つて見ることにした。名高い柳島やなぎしまの「橋本」も今は食堂に変つてゐる。もつともこの家は焼けずにすんだらしい。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
本所小梅ほんじょこうめから押上辺おしあげへんに至るあたりも同じ事、新しい工場町こうじょうまちとしてこれを眺めようとする時、今となってはかえって柳島やなぎしま妙見堂みょうけんどうと料理屋の橋本はしもととが目ざわりである。
たった一人のおっかさんがありまして、幸三郎に嫁を貰った処が、三年目に肺病にかゝりまして、佐藤さとう先生と橋本はしもと先生にもて貰ったが、思うようでなく、到頭死去みまかりました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それに対して心持よく洗いざらした料理屋橋本はしもと板塀いたべいのために突然面目を一変させた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それに対して心持こゝろもちよく洗ひざらした料理屋橋本はしもと板塀いたべいのために突然とつぜん面目めんもく一変いつぺんさせた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)