根絶こんぜつ)” の例文
このドクダミははなはだ抜き去りがたく、したがって根絶こんぜつせしめることはなかなか容易でなく、抜いても抜いてもあとからえ出るのである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
人買ひといふ世にも殘酷な惡人が、その頃はまだ根絶こんぜつしてゐなかつたのですが、さらはれるのは、男も女も、必要の上から、必ず綺麗な子に限られて居たのです。
けれど、それで根絶こんぜつしたものとはかぎらない。同じ所、べつな所で、また火をくおそれはある。
しかも平生へいぜい自分じぶんよりはるかに無力むりよく無能むのう赤子あかごであると、さら自分じぶんみとめざるをなくなつた。かれつてはあたらしい發見はつけんであつた。同時どうじ自尊心じそんしん根絶こんぜつするほど發見はつけんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「武田家の大行事だいぎょうじを徳川家に踏襲とうしゅうされるよりは、この秋かぎり根絶こんぜつさせろ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)