ばん)” の例文
身に合せて借りたる黒き礼服、新たに買い求めたるゴタばん魯廷ろていの貴族譜、二、三種の辞書などを、小「カバン」に入れたるのみ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
話しているあいだに、朝食を知らせるばんが鳴った。二人はその音を聞きながら、どちらも立とうとはしなかったし、半太夫の話が終ってからも、暫くじっと坐っていた。
ラジーン塗具ぬりぐ錆色さびいろ塗具ぬりぐ銅板どうばん鐵板てつぱん鋼板こうばん亞鉛塊あゑんくわい、ガツタバーカーばん、エボナイトばん硝子板せうしばん硝子管せうしくわん舷窓用げんそうよう厚硝子あつがらす螺旋鋲らせんべう鋼鉸鋲こうこうべう眞鍮鑄鋲しんちゆうじゆべう石絨衞帶せきじゆうえいたい彈心衞帶等だんしんえいたいとういたるまで
大きな電気のスイッチばんがあり、曲がりくねったガラスのくだが、もつれあって、部屋の中をはいまわり、大きな机の上には、いろいろなガラスびんがならび、えたいのしれぬ機械があちこちに
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
元禄二年ばん其角きかく十七条に、附句つけくの例として
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
枳園きえんが来て『論語』と『史記』とを借りて帰った。『論語』は乎古止点おことてんを施した古写本で、松永久秀まつながひさひでの印記があった。『史記』は朝鮮ばんであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)