“附句”の読み方と例文
読み方割合
つけく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当夜の連歌会では、光秀の発句に始まって百韻に及び、終りの揚句あげくも光秀の附句つけくで結ばれたが、後まで伝えられた聯詠れんえいはわずか十吟にも足らない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ今私の心づいた僅かな附句つけくの中からでも、なお江戸中期の山伏の境涯、少なくとも世の俗人たちがそれをどう見ていたかだけは、おおよそはわかるように思われる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
連句で附句つけくをする妙趣は自己を捨てて自己を活かし他を活かす事にあると思う。前句の世界へすっかり身を沈めてその底から何物かをつかんで浮上がって来るとそこに自分自身の世界が開けている。
断片(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)