松倉まつくら)” の例文
松倉まつくら旧時むかしの属官ばかりがならんで居るだろう、罪人の方が余程エライ、オイ貴様はドウして居るのだと云うような調子で、私は側から見て可笑おかしかった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「こんなところへ君が入ってきては困るね。おい本郷ほんごう松倉まつくら、いったい何のために戸口をかためているのか」
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私どもが聞いたんでも、吾妻橋あづまばしの佐竹様のお屋敷のあたりかと思うと、松倉まつくらの方に変り、原庭はらにわ松厳寺しょうげんじの空地かと思うと、急に荒井町の方角に変ったりいたします。
米屋甚助事石黒善太夫いしぐろぜんだいふ筆屋三右衞門事福島彌右衞門ふくしまやゑもん町方住居ぢうきよの手習師匠矢島主計やじまかずへ辰巳屋たつみや石右衞門番頭三次事木下新助きのしたしんすけ伊丹屋十藏事澤邊さはのべ十藏酒屋長右衞門事松倉まつくら長右衞門町醫師いし高岡玄純たかをかげんじゆん酒屋新右衞門事上國かみくに三九郎鎗術さうじゆつ指南しなんの浪人近松ちかまつげん八上總屋五郎兵衞事相良さがらでん九郎と各々改名かいめいさせ都合十人の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私方に飛込んで助かった事さえありましたが、この物騒な危ない中にも、大童おおわら松倉まつくらはどうやらうやら久しくまぬかれて居て、私はもとより懇意こんいだからその居処いどころしって居れば私の家にも来る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さっきは、船橋せんきょうに、このパイロットが松倉まつくら船長と肩をならべて、なにやら海上を指しているのを見た。軍人あがりとかいう噂だが、なかなかたくましい面構つらがまえのパイロットで見るからに頼母たのもしく感じた。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
時に尊藩の大童、松倉まつくらの両人が、この間仙台から逃げてまいったのは、彼方あっちに居れば殺されるから此方こっちに飛出して来たのであるが、の両人は今でも見付け出せば藩主において本当に殺す気があるのか
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)