木鐸ぼくたく)” の例文
ただかのみずから天下の広居に立ち、改進の木鐸ぼくたくをもって任ずる人にしてなお旧日本のために支配せらるるものあるはなんぞや。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それ故に同じ操觚そうこでも天下の木鐸ぼくたくとしての新聞記者を希望して、官報局をめた時既に新聞記者たらんとして多少の運動をもした位だから
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「官費で而も社会の木鐸ぼくたくを利用して天下国家を欺く。仕掛けが大きいや。僕はむしろ羨ましいくらいだよ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
同じく命なりと云うにしても、「一小国に限定されない・一時代に限られない・天下万代の木鐸ぼくたく
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「不心得千万だね。ぼくの親父おやじは当年とって七十四歳だが、あれを読んでひどく感心してたぜ。きみはまだやっと三十になったばかりの青年じゃないか。しかも、社会の木鐸ぼくたくをもって任じる——」
五階の窓:04 合作の四 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
一国だけにとめておかないで、天下の木鐸ぼくたくにしようとしているのです。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この社会の木鐸ぼくたくをもって任じた雑誌ジャーナリズムは、先ず経営の方面から近代資本の力に支配されはじめ、当時から見れば二代目或は三代目の今日のジャーナリズムは、更に歴史の推進によって
爾来じらい林藤次なるものあり、博学篤行とっこう、我邦の古典に通じ、敬神家の矜式きょうしょくとなり、また勤王の木鐸ぼくたくとなる。宮部、永鳥、轟の徒、みな彼が風を聴いて起るもの。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それでも当時の毎日新聞社にはマダ嚶鳴社おうめいしゃ以来の沼間ぬまの気風が残っていたから、当時の国士的記者気質かたぎから月給なぞは問題としないで天下の木鐸ぼくたくの天職をたのしんでいた。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
尚お三猿亭主人えんていしゅじん落款らっかんがしてある。自分のことだ。他が右と言えば左と言いたいのだから仕方がない。尤も社会の木鐸ぼくたくとしては、おおいに見大に聞き大に言うのは大に宜しい。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それはそうと、この衞の国では、何かというとお上からお布告ふれが出て、そのたんびに、木鐸ぼくたくという変な鈴をがらがら鳴らしてあるきますが、まさか魯の国ではそんな馬鹿馬鹿しい真似はなさるまいな。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
天将に夫子を以て木鐸ぼくたくと為さんとすと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「社会の木鐸ぼくたくです」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)