木村きむら)” の例文
おい木村きむらさんしんさんつておいでよ、おりといつたらつてもいではないか、また素通すどほりで二やへだらう、おしかけてつてひきずつてるからさうおもひな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宿帳の名前は松永某まつながぼうとなっておりました。従者と見える方の男はたしか木村きむらとかいいました。しかし、二人共それ以来ようとして行方が知れないのですから、名前を
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その中で、一番脊の高い木村きむら君が、みんなのしづまるのを待つて、突つ立つたまま、かう云ひました。
仔猫の裁判 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
木村項きむらこうの発見者木村きむら博士の名は驚くべき速力を以て旬日じゅんじつを出ないうちに日本全国に広がった。
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
木村きむら祐吉は医科大学の二年生、種田京太郎は理科学の研究室へ勤めているが、二人とも平野氏にとっては甥に当り、五十万円の財産は将来この二人が受継うけつぐことにほぼ話がきまっていた。
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
色白な一人ひとりの青年を乗せた人力車じんりきしゃが、仙台の町中をせわしく駆け回ったのを注意した人はおそらくなかったろうが、その青年は名を木村きむらといって、日ごろから快活な活動好きな人として知られた男で
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
うん、うんと諭吉ゆきちのことばをきいていた木村きむら
木村きむらたけしくんときみ子ちゃんは、どこにいるのだ。きみは、ふたりの子どもを人じちにして、木村さんのもっている、たくさんのほうせきをとろうとしているのだ。
ふしぎな人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そこに立っていた道具がかりの木村きむらという男が、ハルミさんを、だきとめるようにして
サーカスの怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
家族のほかに、研究助手の木村きむら青年とお手伝いさんがひとりいるきりでした。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
菓子かしなどをあたえて、ごきげんをとりながら、名まえをたずねたらしいのですが、「木村きむらサチ子」と、おかあさんに教えられているとおり答えますと、怪物は、きゅうにあらあらしくなって
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
小林君がたずねますと、中学一年の木村きむらという少年がこたえました。
妖星人R (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あるにちよう日のごご、丹下たんげサト子ちゃんと、木村きむらミドリちゃんと、野崎のざきサユリちゃんの三人が、友だちのところへあそびに行ったかえりに、世田谷せたがや区のさびしい町を、手をつないで歩いていました。
赤いカブトムシ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)