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是方
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こっち
ふりがな文庫
“
是方
(
こっち
)” の例文
「叔母さん、どんなに私は
是方
(
こっち
)
へ参るのが楽みだか知れませんでしたよ。お近う御座いますから、
復
(
ま
)
たこれから
度々
(
たびたび
)
寄せて頂きます」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と言って来ますし……
生家
(
さと
)
の母からは、また……是非
是方
(
こっち
)
へ帰って来いなんて……
真実
(
ほんと
)
に、親達は、
先
(
ま
)
ず自分の子の方のことを考えてますよ。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「しかし、今と成ってみれば、それも愚痴だ。
父親
(
おとっ
)
さんも苦しく成って来たから応援した——要するに、
是方
(
こっち
)
の不覚だ」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「オイ、もうすこしシャンとしてお歩きよ……そんな
可恥
(
はずか
)
しいような容子をして歩かないで。
是方
(
こっち
)
がキマリが悪いや」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
置いて見たか解らないが、何時でも
是方
(
こっち
)
の親切が
仇
(
あだ
)
になる——貴様くらい長く世話したものも無い——それだけの徳が貴様には
具
(
そな
)
わっているというものだ
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
以前
(
まえ
)
の伊勢崎屋というものは、
隣家
(
となり
)
の方と
是方
(
こっち
)
と二軒続いた店になっていたんだね。これが大勝へ抵当に入った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そう思いますよ……私もそう長くは
是方
(
こっち
)
に居られない人です……いずれ
復
(
ま
)
た彼地へ帰ります……こんなにして、東京で貴方がたに逢えるとは思わなかった……
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あだかも
彼方
(
あっち
)
の木に集り
是方
(
こっち
)
の木に集りして飛び騒いでいた小鳥の群が、一羽黙り、二羽黙り、がやがやとした楽しい鳴声が
何時
(
いつ
)
の間にか沈まって行ったように
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そうですナア、一年ばかりも居たら帰るかも知れません……
是方
(
こっち
)
に居ても話相手は無し、ツマリませんからね……私は
信濃
(
しなの
)
という国には
少許
(
すこし
)
も興味が有りません」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三吉は
指
(
ゆびさ
)
して見せた。「あそこに
薄
(
うっ
)
すらと灰紫色に見える山ねえ、あれが八つが岳だ。ずっと
是方
(
こっち
)
に紅葉した山が有るだろう、あの
崖
(
がけ
)
の下を流れてるのが
千曲川
(
ちくまがわ
)
サ」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
おまけに布施の方では、一切
是方
(
こっち
)
のことは調べないと言うんだぜ。こんなウマい話は
一寸
(
ちょっと
)
無いサ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
でも、よくしたものだ。前には『捨さん、お前さんの
襟首
(
えりくび
)
は真黒だよ』って言っても、まだ
垢
(
あか
)
が着いてた。それがこの節じゃ、
是方
(
こっち
)
から言わなくとも、ちゃんと自分で垢を
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やがて母は箒で籾を掃き寄せ、
筵
(
むしろ
)
を揚げて取り集めなどする。女達が
是方
(
こっち
)
を向いた顔もハッキリとは分らないほどで、冠っている手拭の色と顔とが同じほどの暗さに見えた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
暑中休暇が来て見ると、
彼方
(
あっち
)
へ飛び
是方
(
こっち
)
へ飛びしていた小鳥が木の枝へ戻って来た様に、学窓で暮した月日のことが捨吉の胸に集って来た。その一夏をいかに送ろうかと思う心持に混って。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
他
(
ひと
)
から内証を
打開
(
うちあ
)
けられた時ほど、
是方
(
こっち
)
の弱身になることはありません。思いつめた御心から
掻口説
(
かきくど
)
かれて見れば、
終
(
しまい
)
には私もあわれになりまして、
染々
(
しみじみ
)
御身上
(
おみのうえ
)
を思遣りながら
言慰
(
いいなぐさ
)
めて見ました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
是方
(
こっち
)
を眺めてはボンヤリと立っていた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“是方”で始まる語句
是方様