トップ
>
昇華
>
しょうか
ふりがな文庫
“
昇華
(
しょうか
)” の例文
今までいつも、失敗への
危惧
(
きぐ
)
から努力を
抛棄
(
ほうき
)
していた渠が、骨折り損を
厭
(
いと
)
わないところにまで
昇華
(
しょうか
)
されてきたのである。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
九時二十分頃、呂昇が出て来て
金屏風
(
きんびょうぶ
)
の前の
見台
(
けんだい
)
に
低頭
(
ていとう
)
した。
連
(
つ
)
れ
弾
(
びき
)
は弟子の
昇華
(
しょうか
)
。二人共時候にふさわしい白地に太い
黒横縞
(
くろよこしま
)
段だらの
肩衣
(
かたぎぬ
)
を着て居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
きっと、長い世代、
戦
(
いくさ
)
と男どもに、
虐
(
しいた
)
げられ、抑えられ続けてきた女の鬱憤が、女の唯一な“貞操の誇り”を
象
(
かたち
)
どった、静の姿に、
昇華
(
しょうか
)
したものであったろう。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは
欧洲
(
おうしゅう
)
文芸復興期の
人性主義
(
ヒューマニズム
)
が自然性からだんだん
剥離
(
はくり
)
して人間
業
(
わざ
)
だけが
昇華
(
しょうか
)
を
遂
(
と
)
げ、哀れな人工だけの
絢爛
(
けんらん
)
が造花のように咲き乱れた十七世紀の時代様式らしい。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の腰巻一つになって、裸体になった女の立ち姿、それは全身水に光って人魚さながらの美女、蒼白い顔、肩に流るる黒髪、——それは
凄艶
(
せんえん
)
にも、
昇華
(
しょうか
)
し去りそうな美しい姿です。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
もっとも雪の話は、今までに何度も書いたことがあるので、雪の結晶そのものの説明、例えば水蒸気の
昇華
(
しょうか
)
作用で出来た氷の結晶が即ち雪であるというような話は、今回は略すことにしよう。
自然の恵み:――少国民のための新しい雪の話――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
また、裏切りだの、壮烈なる
昇華
(
しょうか
)
だの。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昇
常用漢字
中学
部首:⽇
8画
華
常用漢字
中学
部首:⾋
10画
“昇”で始まる語句
昇
昇降機
昇汞
昇降
昇降口
昇汞水
昇進
昇口
昇天
昇殿