日雇ひやと)” の例文
あなたは覚えていて? あたしがあなたのへやにはいって鏡に顔を映してみたあの日のこと、それからまた、日雇ひやとおんなたちのそばで大通りであなたに会った日のことも。小鳥が歌ってたわ。
村ではこれと今までの小昼こびるジュウハンと、べつべつに見ている人もまだ多いが、農家にもおいおい年季ねんき奉公人ほうこうにんがすくなく、日雇ひやといの働き手を入れるようになると、食べさせる物も一つになり
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たづねけれ共相應の口もなくたくはへの路用をつかひ切詮方せんかたなく或人の世話せわにて本郷三丁目に裏店うらだなかりおのれは庄兵衞と改名しお梅はとよと改ため庄兵衞日雇ひやとひとなりほそけむりを立つゝ二三ヶ月くらしけれ共天道惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仕つり今に毎日まいにちの樣に參る者あれども是も至て正直者なりと云ば同心どうしんもうほか朝夕あさゆふ出入る者は無かと申ければ道庵なほ打案うちあんじ八丁堀長澤町に居る甚兵衞と申者もと遠州へんうまれの由其日稼の貧窮ひんきうにて折々をり/\日雇ひやとひにも致し召遣めしつかひし事御座れども此者も在所ざいしよに居し頃は名主役もつとめし由に承まはりしが成程日傭取ようとりには人がらも宜しく折に觸ては
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)