文禄ぶんろく)” の例文
文禄ぶんろく慶長けいちょうえきの時、加藤清正きよまさが朝鮮からこの種子を持って来たというので、このオランダミツバに昔キヨマサニンジンの名があった。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
永禄えいろくあるいは文禄ぶんろく年間に琉球りゅうきゅうから伝わった蛇皮線じゃびせんを日本人の手で作りかえた、それがだんだんポピュラーになったものらしい。
日本楽器の名称 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それがし文禄ぶんろく四(三)年景一が二男に生れ、幼名才助と申候。七歳の時父につきて豊前国小倉へ参り、慶長十七年十九歳にて三斎公に召しいだされ候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
文禄ぶんろく二年三月、その当時、小早川隆景は朝鮮に出征していて、名島の城には留守をあずかる侍たちが残っていた。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
特に筑紫つくし一帯の諸窯は文禄ぶんろくえきこの方、花の如く咲き乱れた。あるいは温室にあるいは野辺にその香を競うた。その壮観はよく他窯の比べ得るところではない。
北九州の窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
例外として、「奉教人ほうけうにんの死」と「きりしとほろ上人しやうにん伝」とがその中に這入はいる。両方とも、文禄ぶんろく慶長けいちやうの頃、天草あまくさ長崎ながさきで出た日本耶蘇やそ会出版の諸書の文体にならつて創作したものである。
風変りな作品に就いて (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
文禄ぶんろく二年癸巳みずのとみ 九月吉日 土子泥之助……というまことに不気味な強文言こわもんごん
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今は三百余年の昔、文禄ぶんろくえき後、むれの鮮人たちがつれられて来て、窯をこの苗代川にぼくした。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
両肥りょうひ及び平戸ひらど天草あまくさの諸島を遍歴して、古文書の蒐集に従事した結果、偶然手に入れた文禄ぶんろく年間の MSS. 中から、ついに「さまよえる猶太人」に関する伝説を発見する事が出来た。
さまよえる猶太人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
天正文禄ぶんろくの世に。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)