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数寄者
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すきしゃ
ふりがな文庫
“
数寄者
(
すきしゃ
)” の例文
主人は代々上品な
数寄者
(
すきしゃ
)
であって、いろいろその頃の名工の作など集められた。それで師匠も辻屋に出入りをしておった訳である。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
それが
彼
(
か
)
の正雪の絵馬であった。この会に集まるほどの者は、いずれも多左衛門に劣らぬ
数寄者
(
すきしゃ
)
であるから、勿論その絵馬を知っていた。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
少禄
(
しょうろく
)
の者ではまず手中しがたい! しがたいとするなら、いうまでもなく高禄の者が、それもよほどの
数寄者
(
すきしゃ
)
好事家
(
こうずか
)
が、買うか、
鍛
(
う
)
たせたかに相違ないのです。
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
手を貸したのは諸方に浮浪していた一族の
誰彼
(
たれかれ
)
、南部家下屋敷の隣、昔
数寄者
(
すきしゃ
)
が建ててそのままになっていた庵を手に入れて、ここまで仕事を運んだのを平次に見破られたのです。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
木母寺
(
もっぽじ
)
には
梅若塚
(
うめわかづか
)
、
長明寺
(
ちょうみょうじ
)
門前の桜餅、
三囲神社
(
みめぐりじんじゃ
)
、今は、
秋葉
(
あきば
)
神社の火のような紅葉だ。
白鬚
(
しらひげ
)
、
牛頭天殿
(
ごずてんでん
)
、
鯉
(
こい
)
、
白魚
(
しらうお
)
……名物ずくめのこの向島のあたりは、
数寄者
(
すきしゃ
)
、
通人
(
つうじん
)
の別荘でいっぱいだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
壁に蔦などを
匍
(
は
)
わせて住んでいるが、必ずしも
数寄者
(
すきしゃ
)
というわけではない。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
有名な
数寄者
(
すきしゃ
)
でいらっしゃるし、わけても普請道楽というお噂だが、いったい、お
住居
(
すまい
)
などの間取りはどんな凝り方か、御邸内の図面でもあったら見たいものだが——と仰しゃるお方があるのだ。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは、注文者がもし
素人
(
しろうと
)
の
数寄者
(
すきしゃ
)
とでもいうのであれば、あるいはそうすることも
時宣
(
じぎ
)
に
依
(
よ
)
ってかまわぬことでもあろうが、若井氏は商売人である。
幕末維新懐古談:59 矮鶏の作が計らず展覧会に出品されたいきさつ
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
茶事に用いる三つ羽箒には
野雁
(
やがん
)
の尾羽を好しとするが、その中でも黒に白斑のあるのを第一とし、白に黒斑のあるのを第二とし、
数寄者
(
すきしゃ
)
は非常に珍重するので、その価も高い。
半七捕物帳:61 吉良の脇指
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
堺
(
さかい
)
や京の
数寄者
(
すきしゃ
)
が大勢集まった。いつか秀吉が、信長にささやいて
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの竹内さんは
数寄者
(
すきしゃ
)
で変ったことが好きだから、町内の催しで、変った風をして行列の中に交ったのであろう、元禄風俗を研究したりしていなすったから
幕末維新懐古談:65 学校へ奉職した前後のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
“数寄者”の解説
数寄者(すきしゃ)は、芸道に執心な人物の俗称。「数奇者」(すきもの)と書く場合もある。
現代では、本業とは別に茶の湯に熱心な人物、特に名物級の茶道具を所有する人物として用いられる。
(出典:Wikipedia)
数
常用漢字
小2
部首:⽁
13画
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“数寄”で始まる語句
数寄
数寄屋橋
数寄屋
数寄屋町
数寄屋河岸
数寄屋普請
数寄屋廂
数寄屋造
数寄屋風
数寄屋門