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擢
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ぬきん
ふりがな文庫
“
擢
(
ぬきん
)” の例文
子の憲も弟の
庭皓
(
ていこう
)
も、咸通中に官に
擢
(
ぬきん
)
でられたが、庭皓は
龐勛
(
ほうくん
)
の乱に、徐州で殺された。玄機が斬られてから三月の後の事である。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
嘗
(
かつ
)
て三河三奉行の一人、
佛高力
(
ほとけかうりき
)
と呼ばれた河内守清長の曾孫で、島原の亂後、
擢
(
ぬきん
)
でて
鎭撫
(
ちんぶ
)
の大任を命ぜられ、三萬七千石の大祿を食みましたが
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その重きことは日ごろ給料を与えて、自分のために忠勤を
擢
(
ぬきん
)
ずべき義務をもっている従僕が、たまたま難に
遇
(
あ
)
って自分を救ったよりは、ものそのものはいかに軽くとも
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
早く
蔵人
(
くろうど
)
に
擢
(
ぬきん
)
でられ、
尋
(
つい
)
で二十何歳かで三河守に任ぜられたが、
然様
(
そう
)
いう家柄の中に出来た人なので、もとより文学に通じ詞章を善くし、又是れ一箇の英霊底の丈夫であった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この八角に築きたる室には、實に全廊の
尤物
(
いうぶつ
)
を
擢
(
ぬきん
)
でゝ陳列せり。されどその尤物の皆けおさるるは、メヂチのヱヌスの石像あればなり。かくまでに生けるが如き石像をば、われこの外に見しことなし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
成斎は
卒中
(
そっちゅう
)
で死んだ。正弘の老中たりし時、成斎は
用人格
(
ようにんかく
)
に
擢
(
ぬきん
)
でられ、公用人
服部
(
はっとり
)
九十郎と名を
斉
(
ひとし
)
うしていたが、
二人
(
ににん
)
皆同病によって命を
隕
(
おと
)
した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
平次は二本燈心の行燈を引寄せて、
踏臺
(
ふみだい
)
の上に腰を掛けました。廣々としたお勝手は念入りに
磨
(
みが
)
き拔かれて、
塵
(
ちり
)
一つない有樣、十七年間忠勤を
擢
(
ぬきん
)
でたといふ、お越の働き振りが思ひやられます。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鉉
是
(
ここ
)
に於て
擢
(
ぬきん
)
でられて
兵部尚書
(
へいぶしょうしょ
)
となり、盛庸は
歴城侯
(
れきじょうこう
)
となりたり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この遺書は倅才右衛門
宛
(
あて
)
にいたしおき候えば、子々孫々
相伝
(
あいつた
)
え、某が志を継ぎ、御当家に
奉対
(
たいしたてまつり
)
、忠誠を
擢
(
ぬきん
)
ずべく候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
然るに一朝
擢
(
ぬきん
)
でられて幕府の医官となり、法眼に叙せられ、閣老阿部正弘の大患に罹るに及んでは、単身これが治療に任じ、外間謗議の衝に当つた。全く是れ榛軒が
激厲
(
げきれい
)
の賜であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
擢
漢検準1級
部首:⼿
17画
“擢”を含む語句
抜擢
御抜擢
拔擢
擢出
羽子擢
崩擢
擢揮
擢架
擢片
擢用
艫擢