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描出
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びょうしゅつ
ふりがな文庫
“
描出
(
びょうしゅつ
)” の例文
前の方は非我の事相のうちに愛を認めて、これを
描出
(
びょうしゅつ
)
するので、後の方は我の愛を認めたる上、これを非我の世界に
抛
(
な
)
げ出すのであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
惜しい事に
雪舟
(
せっしゅう
)
、蕪村らの
力
(
つと
)
めて
描出
(
びょうしゅつ
)
した一種の気韻は、あまりに単純でかつあまりに変化に乏しい。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
内に
抑
(
おさ
)
えがたき或るものが
蟠
(
わだか
)
まって、じっと
持
(
も
)
ち
応
(
こた
)
えられない活力を、自然の勢から生命の波動として
描出
(
びょうしゅつ
)
し
来
(
きた
)
る方が実際
実
(
み
)
の
入
(
い
)
った
生
(
い
)
き
法
(
かた
)
と云わなければなるまい。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
沙翁はクラレンス公爵の塔中で殺さるる場を写すには
正筆
(
せいひつ
)
を用い、王子を
絞殺
(
こうさつ
)
する模様をあらわすには
仄筆
(
そくひつ
)
を使って、刺客の語を
藉
(
か
)
り裏面からその様子を
描出
(
びょうしゅつ
)
している。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この一片に誘われて満洲の
大野
(
たいや
)
を
蔽
(
おお
)
う大戦争の光景がありありと
脳裏
(
のうり
)
に
描出
(
びょうしゅつ
)
せられた。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
彼女の気分は少し
軽
(
かろ
)
くなった。彼女は再び筆を動かした。なるべく
父母
(
ふぼ
)
の喜こびそうな津田と自分の現況を
憚
(
はばか
)
りなく書き連ねた。幸福そうに暮している二人の
趣
(
おもむき
)
が、それからそれへと
描出
(
びょうしゅつ
)
された。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十分
(
じゅうぶん
)
で事足るべきを、
十二分
(
じゅうにぶん
)
にも、
十五分
(
じゅうごぶん
)
にも、どこまでも進んで、ひたすらに、裸体であるぞと云う感じを強く
描出
(
びょうしゅつ
)
しようとする。技巧がこの極端に達したる時、人はその
観者
(
かんじゃ
)
を
強
(
し
)
うるを
陋
(
ろう
)
とする。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“描出”の意味
《名詞》
描き出すこと。
(出典:Wiktionary)
描
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“描”で始まる語句
描
描写
描金
描示
描初
描割
描想
描成
描法
描直