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捨身
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すてみ
ふりがな文庫
“
捨身
(
すてみ
)” の例文
まるで
捨身
(
すてみ
)
のかまえとしか見えない。もし位置を
更
(
か
)
えて、信玄がそれに拠るとしたら、信玄は決して
晏如
(
あんじょ
)
としていられない気がする。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの試合に殺気を立てたのはみんな浜という女のなす
業
(
わざ
)
じゃ、文之丞が突いた
捨身
(
すてみ
)
の
太刀先
(
たちさき
)
には、たしかに恋の
遺恨
(
いこん
)
が見えていた
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お妙は、あの職人姿で飛び込んで来て、自分が
捨身
(
すてみ
)
のたんかで父壁辰の十手から救った喬之助を、忘れようとして忘れられないのだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
神にも
拝謁
(
はいえつ
)
のできぬものにはあらざるべしと決心し、これより
種種
(
しゅじゅ
)
の善行を志し、
捨身
(
すてみ
)
決心して
犬鳴山
(
けんめいざん
)
に
籠
(
こも
)
り
大行
(
たいぎょう
)
をはじめ
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
いかにも
捨身
(
すてみ
)
の
自暴
(
やけ
)
になりたる鋭き感情現れたり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
白刃
(
しらは
)
取
(
とり
)
極む
捨身
(
すてみ
)
の入り早し飛鳥の如くその手抑へぬ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「このところ、馬超が、つねにも増して、強いわけは、今や彼の立場は、進んでも敵、退いても敵、進退両難に陥っているためで、いわゆる
捨身
(
すてみ
)
の
奮迅
(
ふんじん
)
だからです」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抜いたのは同時だったが、
虚心流
(
きょしんりゅう
)
捨身
(
すてみ
)
の剣の前に、四人の供は
忽
(
たちま
)
ち地に
反
(
そ
)
って……身を捨ててこそ浮かぶ
瀬
(
せ
)
もある喬之助の
強刃
(
ごうじん
)
、
白蛇
(
はくだ
)
のごとく
躍
(
おど
)
って慶之助に追い迫った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その晩のわしは、まったく
捨身
(
すてみ
)
だった。田も畑も街道も見えなかった。ただ真っ暗な
五月闇
(
さつきやみ
)
の雲の
断
(
き
)
れ
目
(
め
)
に、ぴかぴかと大きく光る星だけが、何かの凶兆のように眼に映った。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人間、
己
(
おの
)
れ以外のために、たれが
捨身
(
すてみ
)
になるものか。——頼まれたのは山の隠者からだが、その隠者へは、時々、両軍のもようを知らせてさえおけば、いくらでも金はつかわせてくれるんだ。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とたん——目をさましてきた四、五人の手下たちも、それッと、
櫂
(
かい
)
や太刀をふるって、わめきつ、さけびつ
撃
(
う
)
ちこんできたが、伊那丸も
捨身
(
すてみ
)
だった。小太刀の精のかぎりをつくして、斬りまわった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“捨身”の意味
《名詞》
供養、布施のため自分の肉体を捧げること。
出家すること。
命を絶つこと。
(出典:Wiktionary)
“捨身”の解説
捨身(しゃしん)とは、自らの肉体ないし財産を布施することである。
(出典:Wikipedia)
捨
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“捨身”で始まる語句
捨身菩薩
捨身成仏
捨身処
捨身不退
捨身惜花思