トップ
>
扞格
>
かんかく
ふりがな文庫
“
扞格
(
かんかく
)” の例文
最初、一、二年は、良沢と玄白との間に、なんら意見の
扞格
(
かんかく
)
もなかった。が、彼らの力が進むに従って、二人はいつも同じような口争いを続けていた。
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
元来思想上相容れなかったので思想上の
扞格
(
かんかく
)
が感情上の乖離となって、一時は交際が殆んど
途絶
(
とだ
)
えていた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
而
(
しか
)
して教育の事はなんら国際上に
扞格
(
かんかく
)
を生ずることなく、世界に大なる貢献を為すことが出来る。学術は世界共通のものである。真理に国境なし、真理は共通である。
早稲田大学の教旨
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
嬉笑
(
きしょう
)
にも相感じ
怒罵
(
どば
)
にも相感じ、愉快適悦、不平
煩悶
(
はんもん
)
にも相感じ、気が気に通じ心が心を
喚起
(
よびおこ
)
し決して
齟齬
(
そご
)
し
扞格
(
かんかく
)
する者で無い、と今日が日まで文三は思っていたに
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
新浪漫主義を
唱
(
とな
)
える人と主観の
苦悶
(
くもん
)
を説く自然主義者との心境にどれだけの
扞格
(
かんかく
)
があるだろうか。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
親友の命を虫の息のように
軽
(
かろ
)
く見る彼は、理と
情
(
じょう
)
との間に何らの矛盾をも
扞格
(
かんかく
)
をも認めなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
恐ろしい戦争の
殺戮
(
さつりく
)
、
無辜
(
むこ
)
のものの流るゝ血、
乃至
(
ないし
)
は新しい恐ろしい思潮、共同生活を破壊する個人思想、意志と魂との
扞格
(
かんかく
)
、さういふものがこの世界にあらうなどとは夢にも知らずに
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
かかる時に際し、人は往々にして大勢の推移を知らず、前後を同一の時代と観ずることがある。ここに於てか人と時勢と
相副
(
あいそ
)
わず、その間に
扞格
(
かんかく
)
を来すのである。これ社会に保守党の起る
所以
(
ゆえん
)
である。
琉球史の趨勢
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
何の
扞格
(
かんかく
)
も
凝滞
(
ぎょうたい
)
も発見されず、極めて平和であるのです。
三面一体の生活へ
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
斯くありたしとの希望を
容
(
い
)
れぬ自然の器械的なる進行に即して起る矛盾
扞格
(
かんかく
)
の意に外ならぬ。
文芸とヒロイツク
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
扞格
(
かんかく
)
した力の上に起つて来る悲劇は、これは何うも致し方がない。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
扞
漢検1級
部首:⼿
6画
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
“扞”で始まる語句
扞
扞挌