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手疵
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てきず
ふりがな文庫
“
手疵
(
てきず
)” の例文
しかし、君、僕だつて左様冷い人間ぢや無いよ。
他
(
ひと
)
の
手疵
(
てきず
)
を負つて苦んで居るのを、
傍
(
はた
)
で観て
嘲笑
(
わら
)
つてるやうな、
其様
(
そん
)
な残酷な人間ぢや無いよ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それで型の如く、年頃、恰好、着類、所持の品、
手疵
(
てきず
)
の様子を調べた上に、改めて宇治山田の米友に向いました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
僕の胸にはいかなる
手疵
(
てきず
)
をこうむってもいいから、このことはけっして彼女に打ち明けまいと思った。
世界怪談名作集:17 幽霊の移転
(新字新仮名)
/
フランシス・リチャード・ストックトン
(著)
一発で撃ったのと
手疵
(
てきず
)
を負わせたのと味が違い、網で捕ったのと鉄砲で撃ったのと味が違いますから充分に料理法を研究しなければ決して美味しい御馳走は食べられません
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
いわゆる喧嘩商売で幾年も送った禍いは、彼の身代の大部分を
空
(
から
)
にしていた。いくら帳簿を整理しても十露盤をはじいても、いまさら療治のできるような浅い
手疵
(
てきず
)
ではなかった。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
都では
晴
(
はれ
)
の春着も
夙
(
とう
)
に箪笥の中に入って、歌留多会の
手疵
(
てきず
)
も
痕
(
あと
)
になり、お
座敷
(
ざしき
)
つゞきのあとに
大妓
(
だいぎ
)
小妓のぐったりとして
欠伸
(
あくび
)
を
噛
(
か
)
む一月末が、村の
師走
(
しわす
)
の
煤掃
(
すすは
)
き、つゞいて
餅搗
(
もちつ
)
きだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そうして、漸く極楽の蓮華の上で、お前と共に微妙の菩薩の相を現じて、盡十方の佛陀の光明に浴するのだ。その女は今、独りで此の山の釈迦が嶽の頂きに、
手疵
(
てきず
)
を負うて死のうとして居る。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
驚き入った乱行者でござる、お場所がらを相心得て、唯々、彼の乱暴を避けん為に、
背後
(
うしろ
)
にまで
手疵
(
てきず
)
をうけ、面目もござらぬが、不時の災難と申すものは、まことに、避け難いものと相見える
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのために居合せた矢野、馬島、川端の三人は各々多少の
手疵
(
てきず
)
を負った。外に竹内宇佐美というが居たが、竹内は早く帰宅し、宇佐美は残っていたが幸に疵を負わず、うまく新海を抱き止めた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
樣子
(
やうす
)
あつて云ひかはせし、夫の名は申されぬが、わたし故に騷動起り、その場へ立合ひ
手疵
(
てきず
)
を負ひ、一旦
本復
(
ほんぷく
)
あつたれど、この頃はしきりに痛み、いろ/\介抱盡せども
效
(
しるし
)
なく、立寄る
方
(
かた
)
も旅の空
近松半二の死
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
疵
漢検1級
部首:⽧
10画
“手疵”で始まる語句
手疵養生