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房楊枝
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ふさようじ
ふりがな文庫
“
房楊枝
(
ふさようじ
)” の例文
と、その頃は
贅
(
ぜい
)
の一つにされた、「猿屋」の
房楊枝
(
ふさようじ
)
を横ぐわえにして、弥助の息子の駒次郎が、縁側へ顔を出しました。
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこが中庭になる、錦木の影の浅い濡縁で、
合歓
(
ねむ
)
の花をほんのりと、一輪立膝の口に含んだのは、五月初の遅い日に、じだらくに使う
房楊枝
(
ふさようじ
)
である。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが、大きな樹も小さな
灌木
(
かんぼく
)
も、みんなきれいに樹皮をはがれて裸になって、小枝のもぎ取られた跡は
房楊枝
(
ふさようじ
)
のように、またささらのようにそそけ立っていた。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
寄席
(
よせ
)
へ行った
翌朝
(
よくあさ
)
だった。お
蓮
(
れん
)
は
房楊枝
(
ふさようじ
)
を
啣
(
くわ
)
えながら、顔を洗いに
縁側
(
えんがわ
)
へ行った。縁側にはもういつもの通り、銅の
耳盥
(
みみだらい
)
に湯を汲んだのが、
鉢前
(
はちまえ
)
の前に置いてあった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
垣根に
房楊枝
(
ふさようじ
)
をかけて井戸ばたを離れた栄三郎を、孫七と割りめしが
囲炉裡
(
いろり
)
のそばに待っていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
別の女が、同じ塗の桶に入れた水と、手拭と、
房楊枝
(
ふさようじ
)
とを持って来て、枕頭へ置いた。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
彼は深川佐賀町の寓居で、
房楊枝
(
ふさようじ
)
をくわえながら、
錆竹
(
さびたけ
)
の濡れ縁に
萬年青
(
おもと
)
の鉢を眺めて居ると、庭の裏木戸を
訪
(
おとな
)
うけはいがして、袖垣のかげから、ついぞ見馴れぬ小娘が這入って来た。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
房楊枝
(
ふさようじ
)
を
井桁
(
いげた
)
に挟んで、ガボガボと
嗽
(
うが
)
いをやった平次、一向物驚きをしない顔を、ガラッ八の方に振り向けました。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大好
(
だいすき
)
な
鰺
(
あじ
)
の新切で御飯が済むと、
硯
(
すずり
)
を一枚、
房楊枝
(
ふさようじ
)
を持添えて、袴を取ったばかり、くびれるほど固く巻いた
扱帯
(
しごき
)
に
手拭
(
てぬぐい
)
を挟んで、
金盥
(
かなだらい
)
をがらん、と提げて、黒塗に
萌葱
(
もえぎ
)
の綿天の緒の立った
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は
房楊枝
(
ふさようじ
)
を井戸端の柱に植えて、
手水鉢
(
ちょうずばち
)
に水をくみ入れながら、こう振返りました。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“房楊枝”の意味
《名詞》
片方を叩いてふさ状にした楊枝。総楊枝。
(出典:Wiktionary)
房
常用漢字
中学
部首:⼾
8画
楊
漢検準1級
部首:⽊
13画
枝
常用漢字
小5
部首:⽊
8画
“房楊”で始まる語句
房楊子