悪党あくとう)” の例文
旧字:惡黨
その宿屋やどや亭主ていしゅは、あいつには一週間の宿料しゅくりょうしがあるから、あの悪党あくとう、どうかしてつかまえてやりたいと言っていた。
「わたしにとれば父をころした悪人。伊那丸さまにはおいえぞく、八つざきにしてもあきたりない悪党あくとうでござります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがあのロボの悪党あくとうめ、そこのことまでよく知っていて、昨夜ゆうべは先に山羊をかみ殺してしまったのです。
十五六世紀の西洋の甲冑かっちゅうけた士卒が出て、鎌倉武士かまくらぶしせりふを使う。亡霊ぼうれいの出になる。やがて丁抹でんまるく王城おうじょうの場になる。道具立どうぐだてさびしいが、国王は眼がぎろりとして、如何にも悪党あくとうらしい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
きつねじつ悪党あくとうらしい顔をしていました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
民蔵たみぞう、そのほうの奇策きさくはまんまとにあたった。こなたより奉行所ぶぎょうしょ密告みっこくしたため、アレ見よ、おきでも、この通りなさわぎをしているわい……小きみよい悪党あくとうばらの最後じゃ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こら悪党あくとうども、このかたに答えするのだぞ」といっしょについて来た典獄てんごくが言った。
人情にんじょうのある子どもがいる」とかれはわたしを指さした。「あの子はきさまらのような悪党あくとうではない。きさまらは仲間なかまが苦しんでいるところを見てわらっている。この小さな仲間を手本にしろ」
あの悪党あくとうのバルブレンだ。