じよ)” の例文
博士は不快を抑へて、細君をじよせようと思ふと同時に、この「底がはいつてゐる」といふことばを思ひ出して、妙な心持がした。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
せめては四邊あたりこゝろきて、肩身かたみせまくすくみたらば、いさゝじよするはうもあらむ、遠慮ゑんりよもなくせきめて、落着おちつすましたるがにくしとて、乘客じようかくの一にんまへすゝみて
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
戊辰奥羽諸藩の処断に於ても、みことのりして今日の乱は九百年来の弊習の結果であると、大いに藩主等の罪をじよし、今後親しく教化を国内に布き、徳威を海外に輝かさんことを欲する旨を、告げたまうた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
大いに聞見の寡陋くわろうを恥ぢたりと云ふ。※の如きはいまだじよすべし。かの写真版のセザンヌを見て色彩のヴアリユルを喋々てふてふするが如き、論者の軽薄唾棄するに堪へたりと云ふべし。戒めずんばあるべからず。