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忌味
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いやみ
ふりがな文庫
“
忌味
(
いやみ
)” の例文
乙羽
(
おとわ
)
もまた紅葉の世話になった男である。が、乙羽もまた硯友社外の誰とでも交際したのが紅葉の気に入らないで折々
忌味
(
いやみ
)
をいわれた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
きょうもふと云い出したその
忌味
(
いやみ
)
を、相手は一向通じないように聞きながしているので、若いお浜の嫉妬心はむらむらと渦巻いておこった。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
相変らず、
忌味
(
いやみ
)
ったらしい薄笑いで、当然出なければならないお詫びを意味した挨拶が、いっこう出て来ないから
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ヤレ自然の美だ
風韻
(
ふういん
)
だのと大層
高尚
(
こうしょう
)
らしい事を唱える癖に今の文士は
極
(
ご
)
く下品な卑しい
忌味
(
いやみ
)
な文章を書きたがる。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
仕方が無いから、苦情やら
忌味
(
いやみ
)
やらを言はれ/\、三里の山道を
妓夫
(
ぎふ
)
を引張つて遣つて来て見ると家の道具はもう大方持出して叩き売つて仕舞つたので、これと言つて金目なものは一つも無い。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
所詮
(
しょせん
)
かれは一個の道化役者に過ぎないのであろうが、あれほど
忌味
(
いやみ
)
のない道化を見せるのはむずかしいと、わたしは今でも彼に敬服している。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
無装飾のスッキリした、少しも体裁を飾らない、
微塵
(
みじん
)
も
忌味
(
いやみ
)
ッ気がない江戸前の雑誌であって、正札附金三銅が貧乏書生に取っては
殊
(
こと
)
に
嬉
(
うれ
)
しかった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
思い余ったお絹の口から
忌味
(
いやみ
)
らしいひと言がわれ知らずすべり出ると、林之助は少し顔をしかめて立ち停まった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ところが或る朝、突然
刺
(
し
)
を通じたので会って見ると、
斜子
(
ななこ
)
の黒の紋付きに白ッぽい
一楽
(
いちらく
)
のゾロリとした背の高いスッキリした
下町
(
したまち
)
の
若檀那
(
わかだんな
)
風の男で、想像したほど
忌味
(
いやみ
)
がなかった。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
現にこのあいだ、お広が倉田屋へ買物に行った時にも、女房は口に針を含んでいるような
忌味
(
いやみ
)
を云った。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
半七の眼に映った若い男は、年のころ二十三四で、色の小白い、
忌味
(
いやみ
)
のない男振りであった。
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仕舞にはだん/\に
忌味
(
いやみ
)
を云い出して、当世は武士より町人の方が幅のきく世の中であるから、せい/″\町人の御機嫌を取る方がよかろうと云うようなことを
仄
(
ほの
)
めかしたので
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「薄情ですねえ。お絹さんが化けて出ますぜ」と、豊吉は
忌味
(
いやみ
)
をいって帰った。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それがかえって一種の
忌味
(
いやみ
)
を伴うようにも感じられたが、一般からはさっぱりしていいとか、書生らしくていいとか言って喜ばれた。川上などもやはり飛白の筒袖を着て押し廻していた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
忌
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“忌”で始まる語句
忌
忌々
忌憚
忌日
忌諱
忌避
忌嫌
忌々敷
忌中
忌籠