心懸こころが)” の例文
「自分は今日まで口と鼻と眼の心懸こころがけで暮らしてきた。しかしそれは間違っていた。今後は、ぜひ眉毛の心懸けで、世を渡りたい」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
父が心懸こころがけて集めたもので、古い時代のいわゆる古九谷こくたにと呼ばれている高価な品ではないのだが、現今大量生産でどんどん造り出している今の九谷焼と
九谷焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
で、何事なにごと油断ゆだんなく、よくよくこころまなこけて、乙姫様おとひめさまから愛想あいそをつかされることのないよう心懸こころがけてもらいたい……。ではわしはこれでかえりますぞ……。
中策は隠然いんぜん自国を富強にしていつにても幕府の倚頼いらいとなる如く心懸こころがくべし〔獄中の意見何んぞ実着なる〕。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
越年をともにせんことを言いでたる者なきにあらずといえども、これらは平素単に強壮と称するのみにして、衛生上何の心懸こころがけもなく、終日原野にでて労働に慣れし身を以て
われ等としては、ずつとめて愛と、寛容性とを、その人物に注入すべく心懸こころがける。
『ええ、つい、そのような平常ふだん心懸こころがけも……』
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしとにかく和顔わげんと愛語の二つは、我人われひとともに十分に、心懸こころがけねばならないと存じます。とくに婦人の方には、この点を十分に反省してほしいと思います。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)